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【2021年連載中】おすすめ小説家になろう作品【5選】

紹介動画

youtu.be

 

どうもみなさん。

今回はYouTubeに【2021年連載中】でおすすめの小説家になろう作品【5選】という動画を投稿したので、そのお知らせと動画には詰め込み切れなかったちょっとした小話を記事としてまとめた内容となっています。

 

まずは動画からご覧いただけたら嬉しいです。

第7魔王子ジルバギアスの魔王傾国記 著:甘木智彬 様

作品ページ▶https://ncode.syosetu.com/n4128gy/

※以下のあらすじは小説家になろうの作品ページより引用、以下同じ引用を繰り返します。

勇者よ、守るべきものを踏みにじれ。【書籍化決定】

魔王にブチ殺された勇者は、よりによってその魔王の息子に生まれ変わってしまった! 正体がバレないよう、理想的な魔族の王子・ジルバギアスとして振る舞いながら、魔王を倒すために奮闘する――が、魔族社会に溶け込むということは、かつての仲間たちを手にかけることを意味していた。それでも強くなるために、人類を救うために、あらゆる禁忌を犯す覚悟で進め! 魔族のニセモノ王子の、国崩しの物語。

異世界ものにノワール成分を注入

【第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記】は勇者が魔王に殺され転生する転生主人公ものの作品なんですが、その勇者が魔王の息子として生まれ変わってしまう。そして魔王や魔族への恨みをしっかりと覚えている状態で転生してしまうんですね。

 

この作品の主人公はその恨みを晴らすため、魔王の息子という立場を利用し魔王を、魔族を、そして魔族の国を内側から亡ぼすことを目的に錯綜していくという物語になっています。

 

この第七魔王子の構成といえばいいのか、とにかくとあるジャンルの作品で目にしたことのある構図とすごく似ているんです。それはハードボイルドあるいはノワールといったジャンルのなかで潜入ものといえばいいのか、警察組織などのS(スパイ)がヤクザやテロリストといった犯罪組織に潜入するタイプの作品でよく目にする構図なんですが、この第七魔王子というなろう作品の構図、読んでいてすごく似ていると感じました。

 

元勇者の魔王の息子➡警察のS

魔王       ➡ヤクザの組長

 

みたいな感じで見て取れたんですね。

 

まあ違う点というと主人公の元勇者ジルバギアスは転生したという設定なので彼の味方というのが一人も存在しない訳なんですよね。

 

一方で比較している警察のSの話の場合は、彼が潜入していることを知っている警察の上層部の人間が描かれていることが多いです。変則的な話の場合はこの唯一潜入している捜査官を知っている警察署長などが何ならかの理由で死亡してしまい、実質的に潜入捜査をしている人のことを誰も知らなくなる。といったパターンもあった気がします。この変則的なパターンの構図に第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記はかなり似ている構図になっていると思います。

 

ただ大体、この変則的なパターンの作品、少なくとも私が見たことある作品の場合は最終的にバッドエンドになることが多かったので、このあたり第七魔王子の場合はどうなるかというのが楽しみなところです。

 

ただ第七魔王子の場合は少し作者さんが優しいのが話を読んでいて感じ取れます。わりとなろう作品にしてはがっつりと主人公にとって悲劇的な展開というのが訪れるわけなんですが、その一幕が終わった後にちょっとした救いの描写というか展開というのが用意されているんですよね。

 

ハードボイルドやノワールといったジャンルだとバッドエンドも1つの終わり方として読者に受け入れられている側面があると思うんですが、対してなろう界隈だとバッドエンドという終わり方自体が珍しい部類に入ると思うので、それもあって今後の展開がどうなっていくのかというのは注目したい部分ですね。

濁る瞳で何を願う 著:トルトネン 様

作品ページ▶https://ncode.syosetu.com/n6680gq/

出勤時に心筋梗塞で生涯を終えた高倉頼蔵は、農家の三男として異世界で第二の生を得る。

ウォルムという名を与えられ平穏な日常を過ごしていたが、周辺諸国と衝突を続ける祖国は国家の尖兵たる兵士の招集を続け、ウォルムも例外では無かった。

支度金という値段付けられた命は国家へと買い上げられ、徴兵されたウォルムは最前線に投入される。

平等に訪れる理不尽な死、歓喜と悲鳴が入り交じる略奪と陵辱、取れぬ死臭に濁り行く瞳、否が応でも戦場の狂気に染められ、ウォルムは平時では目覚める筈の無かった闘争の才能を開花させていく。

疲弊し痩せ細る精神を、搾りかすと化した道徳と良心を僅かな偽善で希釈させながら、酒と兵隊煙草で誤魔化す日々。

戦争も終盤に入った祖国ハイセルク帝国であったが、帝国中を震撼させる動乱が起きようとしていた。

シンプルに面白い、ただ面白いです。

俺にはこの暗がりが心地よかった 著:星崎崑 様

作品ページ▶https://ncode.syosetu.com/n7820go/

「私が選んだ1000人に異世界へ行ってもらう」
全世界のディスプレイに現れた神の言葉によりその騒乱は始まった。
幼馴染みが転移に選ばれてしまった黒瀬ヒカルは、彼女が転移する当日、彼女と共に殺害されてしまう。しかし、なぜかヒカルは死なず、権利がなかったはずの『行動のすべてを地球でライブ中継される異世界転移』に選ばれてしまうのだった。
何の準備もなく魔境へと転移させられた彼は、何度も死の危機に直面しながらもギフト闇の精霊術によりどうにか生き残り続けていた。
「死ねない。地球でみんなが応援してくれているはずだから――」
これは、視聴者達の視線に翻弄されながらもやがて前を向き歩き出す、精霊に愛された少年の物語。

生配信で始まる恋愛リアリティーショー

こちらの【俺にはこの暗がりが心地よかった】は動画でも紹介しているんですが、異世界に転移してしまった人々の様子というのが生配信されてしまうという設定がある作品になっています。(配信先は地球)

 

その転移者というのが1000人いるわけなんですが、注目される人、されない人というのが物語の展開上出てくるわけなんですね。当然、魔物と戦ったり、いわゆる異世界的な要素に遭遇している転移者たちというのが物語序盤では注目されていきます。

 

ですが、転移者たちが異世界に降り立ってある程度時間が経過して、序盤を終えてから始まるのがまさかの恋愛リアリティーショーなんですよね。これは主人公と異世界で出会ったヒロインとの恋愛模様のことなんですが、これが作品上の配信では爆発的に人気のコンテンツになっているわけですね。

 

異世界での転移者たちの生配信なんですが、結局のところ人気があり、人が集まるのは人間同士の恋愛模様を配信している転移者なわけです。ここはすごく世俗的で面白いなと思いました。

庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる 著:ダイスケ 様

作品ページ▶https://ncode.syosetu.com/n4136hf/

ある日、家の庭に穴があいていた。
ゴミ穴にちょうどいいので、ゴミを捨てた。
家庭ごみを捨てた。
事業ゴミを捨てた。
建設ゴミを捨てた。
まだまだ穴は埋まらない…

業界の闇

こちらの作品は主人公がリサイクル業を営んでいる個人事業主となっています。実は私自身何年も前の話なんですが学生時代にいわゆる産廃業者の事務のバイトをしていた経験があるんですよね。その時の経験からこの作品を見た感想なんですが、ちょっと盛ってるけどわりとリアルなリサイクル業というゴミを扱う業界の雰囲気が描けていて面白いなと思いました。

 

この作品の話の中でリサイクル業をしている主人公にほぼヤクザみたいな人間と金貸しがセットになってとある廃棄物を引き取れと強要してくるシーンがあるんですよね。私の場合はここまでひどい仕事に出会ったことはなかったんですけども、わりとそのバイト先に出入りしていた人には元ヤクザで今は足を洗って一人親方をしている社長さんとか元暴走族や不良の社員さんとかが多めでした。もちろんそうじゃない方もいましたけどね。

 

時には普通の場所では聞けないような怒号が聞こえてきたりして、ちょっと嫌なバイト先だったんですけども(笑)短期の契約でしかも、大学のとある講義の教授に紹介してもらったバイトだったのですぐにはやめれない状況だったんですよね。ただ、まあその教授のコネで手伝いにきた大学生みたいな扱いだったので私自身はわりと社員さんからは丁寧な感じで接してもらっていました。

 

そんな感じでわりとゴミを扱う業種ってグレーなイメージがあるし、グレーだった人達が出入りしているというのは事実体験として私自身持っているので、よりこの作品が面白いと感じたんだと思います。

 

もちろん流石に私がバイトしていた時は現役のヤクザさんとかが仕事に関わってくるということは無かったし、そのバイト先の会社の代表さんにも話を聞きましたが、昔はそうだったけど今はもうほとんどいないよという話でしたね。

 

そしてこの作品にある、庭にできた何でも飲み込む穴という設定なんですが、この穴がですね、ゴミを扱う業種からすると喉から手が出るほど欲しいし、価値のあるファンタジーな設定になっているんですよね。医学で例えると癌の治療薬、治療方法といえるような代物ですねこの作品に登場する穴は。

 

ゴミを処理する業者ってゴミを運搬してきて処理して終わりではないんですよね。処理の方法にもいろいろあってイメージとしては焼却して処理するイメージが強いと思うんですが、そこは実は業者さんによってかなり異なるんですよね。大まかに私の経験でいうと焼却は行政、つまり市の一般廃棄物の処理場が担当していて、普通の事業としてごみ処理を行っている会社というのは破砕とかが多いんです。そして破砕したごみを焼却や埋め立てといった最終処分をする。

 

なので業者には必ずゴミを保管しておくスペース(倉庫など)が必要になるんですよね。ただ私のバイト先がそうだったんですが運搬のペースとゴミを保管しておくスペース、そして破砕するペースが嚙み合っていなくて、どんどんゴミが倉庫にあふれていく状況だったんですよね。まあゴミ自体は無限に排出され続けるっていう特性がありますけど、要は回収してきて運ぶまでは簡単、処理には手間がかかるということですね。

 

そこでこの作品に登場する穴なんですが、この何でも飲み込んでくれる穴があったら運搬してきたゴミをそのまま放り込むだけでいいのでめちゃくちゃコスパが良いわけですね。しかもこの作品の場合だと処理が難しい産業廃棄物や放射能に汚染されたものなども放り込んで、その後その地域になんの影響もない。汚染物質とか処理できるのならもうこれは業界レベル超えて世界の利益に繋がるとんでもない代物ですよね。

 

この作品に登場する穴というのはまさにファンタジーなんですけど、穴っていうファンタジーとリサイクル業っていうゴミを扱う業界の組み合わせは私自身の経験もあってめちゃくちゃ面白い設定の組み合わせだなと思いました。

 

自分の経験も相まって文章も長くなってしまいましたが、こちらの作品面白い作品です。ただ、わりと雰囲気もそうですが、ちょっと専門的な業界の話になっているのでマニアックな部類の作品ではあると思います。

 

"αμαρτια" -アマルティア- 著:馬面 様

作品ページ▶https://ncode.syosetu.com/n0463fl/

冠なき国家エチェベリアにしがない薬草店を構える元弓兵フェイル=ノートのもとに、ある日「勇者一行」と名乗る三人組が現れた。
心ならずも彼らとしばらく生活を共にする事となったフェイルは、やはり心ならずも様々なトラブルに巻き込まれる。

世界最悪の毒グランゼ・モルト
地下空間メトロ・ノーム。
武闘大会エル・バタラ。
その裏で秘密裏に進行されていく、国家を揺るがす二つの計画――――

これは、全ての夢を失った男の物語。
そして夢の残骸を看取る鎮魂歌。

 

こちらのアマルティアもただ面白い、ただ最高に面白いです。